2017年5月21日 (日)

ポールレーズ パターン挽き

スピンドル用のポールレーズ、これこそ グリーンウッドワークの代表的な道具といえるものですが、 御本家イギリスのマイクアボット氏は特に最近はあまり使っていないようです。 つまり 案外この道具、操作が難しく広く参加者が簡単に使えるというものではない、ということ、またアメリカ人ドゥルーラングズナー氏いわく”これほど非効率な道具はない!”との指摘からか 数学系人間のマイク氏はあまりポールレーズを使う事を潔しとしないようです。ま、そのかわりホゾの部分は テノンカッターなるものをコードレスドリルに装着して使っているようで これだとだれでもホゾが正確にできるのです。

ながなが書きましたが 私としてはそれでもポールレーズを進めたいです。それは 最初ハードルは高いかもしれませんが しかし多少とも挽けるようになると 面白さがわかって来て病みつきになるほどです。 ましてや 生の広葉樹をポールレーズで挽いてテープのように薄くて長い削りかすがシュルシュル出てくると快感です。思わず夢中になるものです。

さてこのポールレーズも ある程度技術力がついてくると パターンが挽けるようになります。これは つまりくびれや溝や 球を挽くということで、単にストレートな丸い棒を挽くための道具またはほぞを削るための道具という見解からはかなりかけ離れたものでもあります。 ポールレーズを挽いた事がある、という段階から 技術を身につけて パターンが挽けるようになる、というところにもう少し目を向けることが必要なのかもしれません。

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ポールレーズと踏み板

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比較的簡単なウィンザースツール 脚のホゾ以外はドローナイフで削ります。

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脚に模様 パターンを入れて 横棒のストレッチャーを入れると 似たような作りのスツールですが まるでニュアンスが変わってきます。 どうですか、こういうの。

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2017年5月10日 (水)

木の力

最近例の400年桜で器を挽いています。 

そしてその木で器を挽く時に感じることがあります。

それは木が持つ力というものです。この400年サクラはかなり硬いですが そのわりに挽き肌がとても綺麗で味があるのです。 今回はその木の枝別れつまりまたの部分を器の材料に取ります。

通常ですとこういった部分は挽く時に難があっていわゆる気難しいものではあります。 なぜなら木の目の方向性がバラバラで時にはポロっと必要以上にめくれてへこんだり フックがある一箇所だけかたかったりしてとても手ごわく、かなり消耗して 手がくたびれます。(手がくたびれるとは 挽いているときには フックを持つ右手も左手もかなり力を入れて挽き寄せたり少し回転させたりするのです。これは機械旋盤のような物の場合にはあり得ないことで つまりストロークで脚の一踏みの時にその一踏みに合わせて手をうごかしているのです。)

しかし そんな状況にも関わらず木の持つ魅力は挽くごとに増して行き 飽きる事がありません。

どんどん気持ちが乗って 前のめりになります。

そして完成した器は思い通りあるいはそれ以上に魅力を発揮します。見ているだけで またそばに置いておくだけでとてもいい気分になります。

さて 先日別の桜が手に入りさっそく器を試してみました。まだ若い桜で 年輪のピッチが1cm以上あるもので”これは柔らかそうでいいうつわになろうか?!”と期待して挽き始めましたが 予想に反して これが 面白くないんです。つまらないんです。  ”なんでしょう!”というくらいつまんない。

そんな途中経過を経て出来上がった器ですから おもしろい器になるわけはないんですね。 はっきり言ってつまらない器になりました。

訳分からないですよね。

”これは挽きやすそうだな!”と思ったものが挽いていてつまらず 出来上がったものが詰まらず、 反対にまたのいかにも挽きにくそうで 実際に 硬くて大変な苦労をした器が魅力的って。

その時に思ったのが”木に力があるんだ!”です。

とかく私達は木のような有機物さえもプラスチックの用に無機質な均一なものとして見てしまう習慣を身につけていますが そうではないのかな、という事なんですかね。

こうして出来上がった400年器、 毎日眺めて喜んでいます。 これも木に力があっての事。力があるものを見るのは 心が勇気づけられるからですね。人は 美しいもの、力あるもの、心休まるものを求め、醜いもの 意をくじくものを遠ざけるものです。

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400年 古又力器

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こんな感じに 複雑な木目が出ます。

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艶があって 波打っていて、飽きませんね

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2017年2月13日 (月)

器挽き 久々の動画

あらたに動画を撮りました。ここにご紹介します。動画

材料の木は400年桜です。 新たに頼まれた器用ロクロの試運転をしました。

最近はフレームソーなど新たな道具の開発もあってロクロの形状がかなりすっきりして 自分では気にいっています。

これくらいの器でしたらこんな感じのリズムで挽くといいです。

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2016年12月 1日 (木)

バロー (一輪車)

クラフトハウスで使用する野良仕事用の一輪車の脚が1本折れて使いづらかった。 いつか新調しようと思っていましたが 重い腰をあげて やっと完成しました。

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こんなになってます。右足が錆びて折れてしまったのです。最初は脚だけ直せばいいかと思ったのですが、今回フレームソーもあることなので いっそ新しく木製で作ろうと一念発起しました。試行錯誤しながら2カ月を要し やっと完成に至りました。

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つまり、このバローの板材は あのフレームソーで丸太を製材して取ったもので、やはり普通の板材とは微妙に仕上がりのテーストの違いが 出るものですね。

ちなみに車輪の鉄の輪の製作とそれを木の車輪にはめ込むのがかなりなんというか難しいものでした。

玄関に置いて見るととても見栄えがして明るい雰囲気になりました。

苦労しましたが嬉しいものです。

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2016年9月12日 (月)

フレームソー =枠鋸

新たなプロジェクト

バンドソー=帯のこがなくてもそこそこ手道具で板材や角材がとれないか?との観点からあれこれと調べて行き着いたのが枠鋸=フレームソーです。随分と時間がかかったけど やっと2台試作しました。また同時に 鋸挽き台も作りました。

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大中の2台のフレームソー

刃のピッチ 大きい方は約2cm 中くらいのは1.2cmほど

最初は刃のピッチが大きいために木にキャッチしてしまいシャーシャーっとスムーズに切れませんでしたが 徐々に腕を上げすこしスムーズに切れるようになったのです。

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こんな感じで2人で操作します。 気にして線の上を切るようにしますが それかかることがよくありましたが
修正もあまり難しくなかったです。お互い向こうとこっちの線をキープして操作しました。

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こちらは大です。

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これくらいの質量がある台でないと負けてしまいます。

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試し挽きの材はエンジュで 元は5センチの厚みがあったものです。エンジュは そこそこ硬いのですが これは慣れると案外面白いです。体全体を使って切るので面白いし、しかも早い!!

さあ、こんな道具があったら板材が取れるので 何を作ろうかな。いろいろ広がりますね。

大むかしは前挽き大鋸の広がる前はこれだったそうです。

お問合わせtomio@tomio-imaru.com

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グリーンウッドワーカー ミーツ 2016

  グリーンウッドワーカーミーツ

 年に一度の 出会いの時

 グリーンウッドワークの横のつながり

自分はこんな風にやっています、ここはどうしてますか?

疑問に思う事、新しい発見など この場で展開しましょう。

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2015 生演奏の様子

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時 10月 15日(土)、16日(日)

場所 古殿 クラフトハウス

15日  前夜祭です。 夜は たっぷりお酒とお話し  

16日  午前中に音楽家佐々木修さんの 演奏を楽しみます・ギター、リュート

      その後 BBQ 懇親会

      BBQ,ブラジルソーセージ、生ビール 焼きそばなどなど

リュートって こんなです

参加 誰でもOK。

会費 ビール飲む人は 3000円前後(参加人数によって変わりますので)、当日来れなくなると会費が混乱

    するので困るんです。     

遠方の方 宿泊無料(クラフトハウス ゲストルーム)ですので 早めに連絡ください。

お問合わせ、お申し込み     クラフトハウス メール tomio@tomio-imaru.com

                     電話 0247-57-5541

 

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2016年8月16日 (火)

器用ロクロ

頼まれていた器用のロクロ完成!

かなり長身の人用にポイントが高い

新天地でガンバッテね!!

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ロクロの上に載せられた試し挽きの器、なかなか良い調子です。

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器挽きにはロクロ本体のほかにも器の材料になる木片をポイントにセットするためのマンドリルとか

踏み台とか チョッピングブロックとか いろいろ必要です。

ここでは 2X4材ではなく 広葉樹を丸太から製材して作っています。

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フック:4本の基本セット

お問合わせ
tomio@tomio-imaru.com

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2016年7月25日 (月)

座編み教室

椅子作り教室 初級編 蒲の葉で編むスツール座編み教室

地元で採れた蒲の葉を材料にしてスツールの座面を編み込みます。

一日コースで夕方には完成してお持ち帰り出来ます。

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今回のスツール本体は25cm角を用意してます。

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編み始めの様子

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よじりながら編み込んでいき ついに完成!(サンプルは今回の物より大きめです)

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収穫、洗浄直後の蒲の葉

日程   9月10日(土)、9月24日(土) どちらかご都合の良い日程を選択してください。

時間   9時スタート 夕方5時ごろには終了します。

持ち物など お弁当、作業用室内履き、タオルなど

料金 講習料 5000円、スツール本体 15000円 

住所 福島県石川郡古殿町松川大原194-2

お問合わせ

電話 0247-57-5541 井丸富夫まで

またはメール tomio@tomio-imaru.com

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2016年7月16日 (土)

桜の大木

仕事の関係で さまざまな木と御縁が出来ます。

400年の桜が来ました。一番根元の二またの部分を分けてもらったのでっす。

昨日さっそくチェーンソーでちょっとだけ切って感触を確認しました。

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チェーンソーで切っているとき やはり根元の部分なのでかなり硬いと感じました。樹齢が40,50年ほどの桜だとこれほど硬い感触はないのだけど。

すこし器を挽いてみます。

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2016年7月 2日 (土)

バッハさん

ヨハン セバスチャン バッハ 

バッハという名前を聞けばきっとあの肖像画のちょっといかついというか ゴッチリしたお顔を想像するでしょう。音楽の教室にたいてい肖像画が掲げられていて そういう意味ではホコリの中の人物という風にしか見えていない人も多いと思います。

私は音楽の興味からバッハさんの曲に関しては多少知っているつもりではありますが ほんのわずかなものです。

ただ  日々 器等挽く時にこの方の作曲されたさまざまな曲がBGMとして取ってもふさわしく良く掛けるので有難いところです。

このバッハさんはきっと教会所属の音楽家として大事に処遇されてきたんだろうな、などと思っていました。だからこんな素晴らしい膨大な数の曲を残すことが出来たんだ、 恵まれている人だったのだと思っていました。

あるきっかけで しかしながらバッハさんの若いころの苦労を知って あの肖像画のイメージはくずれてしまいました。

今でいえば小学校4年生ぐらいの時に相次いで母 父をなくし 一番上のお兄さんの所にお世話になっていたそうです。そのお兄さんとはそうとう年齢差があり ほとんど親交もなかったということで そのお兄さんの所に行くという事は かなり心細かっただろうと思います。

ま、いわば人生の逆境、人生の逆目に陥りましたが 彼は やはり努力したんですね。 そしてメキメキと頭角をあらわしていって 私達に名曲を残してくれたのです。

ヨハン セバスチャン バッハ  人は見かけによらない? いかつい肖像画の下に柔らかいバッハを見ました

クリックすると新しいウィンドウで開きますこんな

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