2018年8月11日 (土)

砥石研ぎ

刃物研ぎは ちょっと独特の楽しみがあります。手に伝わる研ぎの感触。中研ぎでのシャビシャビした研ぎ感もいいし、仕上げのもっと細かい繊細さの研ぎ、などなど早朝の心静かな時間にはいい仕事です。

さて 荒砥石が かなりへたって、真中がへこんできました。このまま使うと刃先が丸くなってどうしようもないので 今朝平面に研ぎなおしました。 真中の左側が極端に減っていて 軒下のコンクリート面で ジャリジャリとこすりつけて 平面にしたのです。

20180811the_sharpening_stone_008鍛造、焼き入れ 焼き戻しを終えてこれからいよいよ研ぎをして刃物らしくなっていくのです。写真の砥石は中研。

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こんなモルタルの階段や どぶ板みたいなところで ごしごしこすりつけます。体重をある程度かけ、水を掛けながらこすりつけるのでけっこう足腰にきますね。

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コンクリートの面もこすれてざらざらだったのが徐々に滑らかになるので そうしたら場所をかえます。

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真中のかなりへこんだ部分をこすり落とそうと夢中になってやっているうちに よく見れば

なんと斜めになっちゃいました。どうしよう!?夏の日差しが当たって来て汗かくし、がっかりするし、くたびれてくるし、、。結論 今日はこのまま終わって また明日の早朝に持ち越す事にしました。

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2018年7月30日 (月)

炭切り

炭切り

様々な道具、刃物など鉄関係のものを鍛造しますが、その時の燃料になるのが炭です。
この燃料には他にも コークス、石炭あるいは ガスなどが私のような小規模な設備にはむいています。 コークスは熱量がありかなり高温を得られますが、 あのベトベトとした燃えカスは好きになれません。 またガスはいちいち消さずに燃しっぱなしにするのは何か違和感があるし、でもクリーンで立ち上がりが早くいいのだけれど、で、やっぱり炭が一番ということになるのです。
さてその炭ですが 炭焼きのひとから一袋千円ちょっとで買ってきて そのまま燃料に使えるわけではないのです。2~3cm角くらいの大きさに切り揃えるのです。この作業は結構大変ですよ。 一袋切るのに 大体2時間弱くらいかかります。その間 手はもちろん 顔や鼻の穴まで真っ黒になります。ま、石鹸で綺麗に落ちるので何ということではないのですが。
これまで この炭切りのために 包丁を3つ作りましたが 自分としては 分厚くて 重量のあるものが重宝しています。
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写真の包丁がそれです。 一番先端のちょっと丸くカーブしているところが場合によっては結構使えて、その部分で円を描くように炭を切るとコツコツと心地よい音をたてて切れていきます。 まな板の一番端の木口の角と包丁の刃の部分がうまく合うと綺麗に切れます。
炭を切っている時に感じるのは 炭にもやはり木の個性があって、とても硬くて例えば 樫などのように切った瞬間に かなり遠くまで飛ぶものや とても何というか柔らかくて優しいものや ばらばらと粉のように崩れるものまでいろいろあるんです。
もとは何の木なのかがわかるのは その樫くらいであとは よくわかりません。 機会があったらぜひ炭焼きを訪ねてこの木の種類を確認したいものです。

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炭になっても美しい木目ですね。切ってしまうのがもったいない!

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炭一袋で 大体写真のような大きさの段ボール箱1杯半前後になります。 いつもは 一袋で止めますが きばって2袋やったり、年に何回かは 3袋を1日でやる時もあります、やむにやまれず。1日鍛冶屋仕事をもしやったら この箱2つくらいは使うものです。
炭切りの最中に考えたのですが、 最近は花や野菜まで炭になっているので もしかしたら動物も炭になるのか?という疑問がわいてきました。もしできるのなら 人間も!エジプトのミーラも 炭のミーラ、私も炭のそれ。  火葬の時に なんかよくわかりませんが 酸素欠乏状態で燃やせば”炭になる”。 もちろんこれは冗談の範囲内ですが。

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2016年8月 3日 (水)

インディアン ナイフ

グリーンウッドワークでは その材料になる木とそれを材料として使う人との間の距離が非常に近い。つまり使う人が材料の生の木の原木を自分で下ごしらえする事がほとんどです。

目前にある丸太をチェーンソーで玉切りにしたり また 板材を取ろうとやはりチェーンソーで挽いていきます。

さあ、テーブルなりスツールなり板材の表面の仕上げをどうするか、という問題があるのです。乾かして鉋掛け、というのが常道かもしれません。

今回は こんな状況ですごくグリーンウッドワーク的に面白い道具をご紹介しましょう。

インディアンナイフと名付けられたこの道具は 非常に単純な形です。ちょうど銀杏の葉っぱのような形をしています。

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上 柄が長く 荒削り用(両刃)

中 中仕事用(両刃)

下仕上用(片刃)

もし市販の丸ノミがありましたら これでもある程度出来ます。

今回は最初にそんな丸ノミで削りました

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今回の材料は 生木ではなく もう乾燥してしまった 樫の木片です。硬さではかなりあります。チェーンソーのギザギザの刃跡が目に入ってきます。

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木の繊維方向に対して直角方向がかかりやすいです、こんな風に削れて チェーンソーの跡がなくなりました。

この次に荒削り用のインディアンナイフを掛けました。

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最初の鑿跡がちょっと目ざわり観がありましたがだいぶ見ていて楽になります。(鉛筆で仕切って一番手前が加工なしのチェーンソーのまま、真ん中が丸ノミ、上がインディアン鉋で荒削りしたものです)

さらに中仕上用のインディアン鉋をかけます

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ここでは一番左がそれです

さらに仕上用のインディアン鉋をかけます

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ちょっと分かりにくいですが左手前の部分が最後の仕上げをしたところです。

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オイルをさっと塗りました、5番が最終仕上げをした部分ですね。

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オイルを塗ると仕上がりの状態がよくわかります。艶が出ています。

このように表面処理の仕方で随分と表情がかわるものです。

”平面”ではない平面、でもいいニュアンスになりますよ。

そしてこの削り作業がとても楽しく 時間を忘れて熱中するものがあります。削った部分を指先で確認しながらけずるのは楽しいものです。

お問合わせ tomio@tomio-imaru.com

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2016年3月11日 (金)

器挽きの刃物

器挽きに使う刃物は ”フック” ”ロクロ鉋”などと呼ばれています。

細長い鉄の棒の先端がくるっとかえっていて そこに刃が付けられているものです。 通常乾燥した木を材料とする機械旋盤の場合 刃ががっしりとしていて どちらかというとごつい感じですが 人力の脚踏みロクロでは 相手の木が生であり 柔らかい為に 機械旋盤の刃物よりもずっと華奢で繊細な感じです。

また この脚踏みロクロのフックですが 形状がいろいろ変化があり 挽く人にしかうまく作れそうもないのです。

おそらく 鍛冶屋さんに頼んでも自分の望む形はうまくできないと思います。

さて 私も何年も器用のフックを作っていますが 最近ようやく その形のパターンが形成されるようになりました。

フックにも美しい形があるのだ、という事に気がついてき始めました。

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通常 フックは刃先に向かって徐々に細くしていきます。器の外挽きには あまり細いものは強度の関係上向きません。

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2本のフック

右のフックは ロビン氏のフックです。とても形が洗練されていてきれいです。左のフックは私がちょっと前にたたいたものです。上手な人は 華奢なフックでも外挽きに使えますが それには 相当の技術が必要です、出ないと折ってしまうでしょう。

おそらく ほとんどのフックは 世界中どこでも 全鋼だと思います。でも最近私はようやく地金に鋼を鍛接したフックを作るようになり、全鋼とは一味違う挽き心地を味わう事が出来るようになりました。 鋼は ヤスキ鋼の青鋼や白鋼を使用しています。

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2015年8月31日 (月)

ストックナイフ

ストックナイフとは 押切のようにして木を大まかに削る道具です。ヨーロッパでは木靴の外側をこの道具で成形する事が多いです。

最近 クラフトハウスの木工教室でひそかにスプーン作りがブームになっています。

さてそのストックナイフですが その小型版をスプーン作りに利用しています。

通常 荒削りは手斧を使って行いますが 女性にとってはちょっと手ごわい道具ですね。

そこで このストックナイフのミニ版で荒削りすると 楽に 安全に大まかな形を削り出すことができるのです。

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こんな形です

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こんな風にセットして使います

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ここら辺まで削れるとあとはそうとう楽にナイフワークに移行できるのです。

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ざっとナイフを掛けました

ストックナイフがあると完成まで早いものです

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2015年4月20日 (月)

刃物の話

地金が大事

地金とは 刃物の刃先の刃金を支えるベースの部分の事

物を切る時にはその刃金が直接切るわけだけれども かといって それを支える地金が大事ではない、という事はないんです。

ヨーロッパアメリカなどでは 早くに製鉄 鍛冶屋といった分野が工業化され ほとんどこの合わせの刃物(つまり地金と刃金を鍛接した)は忘れ去られてしまいましたが 幸か不幸か 日本では大規模工業化が遅れ したがって 鍛冶屋的な 単位の小さい製造技術がつい最近まで 大手を振っていたのでした。

前置きが長くなりましたがその鍛接のさい 大事なのが地金です。 鉄は その炭素量が少なくなればなるほど柔らかく柔軟で展延性に富んだ性質を帯びるものです。

鍛接の際に刃金と地金がくっつくことを英語では"stuck"=食いつくといいます。これは柔らかい地金がたたかれて硬い刃金に食い込んでいく様子を表現したもので 絶妙の観があります。

昔の鍛冶屋は この地金には特に良く練られた つまりたたいて柔らかくなった軟鉄を使っていたようで 社寺仏閣など改築の際にでる古釘などを収集する地金屋という職業もあったようです。

さてさてそんなわけで 今回作った クラフトハウス特性のドローナイフはその点に着目して 極軟鉄を地金としました。

火花試験をも事前にして確認した極軟鉄、実際の鍛接作業もスムーズに進行しいよいよ研ぎをしたのですが

これまでの地金に比べ ちょっとその表情が変わって見えました。なにか 昔風の包丁や鑿のあの雰囲気に近いです。 研ぎ自体も柔らかく楽です。

今回の極軟鉄地金の導入では 色々学びましたが なかでも刃物の表情の好ましいことと 研ぎの楽しさが忘れられない感じです。もし 極軟鉄がごく一般的に出回っていれば 今の刃物業界のあり様も きっとそうとう変わっていた事であろうと思うほどです。

つまり全鋼の刃物だと研ぐのが大変だし、 柔らかい地金だからこそ その美しさや 研ぎを含めたメンテナンス

の楽しさ、そして その刃物にふさわしい砥石の選択まで話は広がりそうです。

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実際のところ研ぎ自体は あまり自慢できませんが 切れ味はとても良いです。

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2015年4月 6日 (月)

ドローナイフ

ドローナイフは グリーンウッドワークの代表的な道具のひとつであり 同時に 本来 日本にはないものであります。

強いて使うとなれば 銑(セン)ですが 多少の柄の角度の調整をしないと使いにくいと思います。

そのドローナイフですが 日本人的デリケートに見合った ドローナイフとなると ミニドローナイフの方があっていると思います。 使いやすさ、重さ 削りのニュアンスの表現の道具としてのドローナイフなどと考えると 従来の刃幅が20cm以上あるものでは ちょっと大きすぎだと思います。

そしてそんな要望にこたえる 小型のドローナイフは これだ、と思うものがなかなかないものですし もしあっても入手が面倒なものです。

そこで これまでずいぶん手間暇をかけて やっとドローナイフ製作が一つのレベルまできました。

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刃幅は10~15cmほど

刃は全鋼ものと 地鉄、炭素鋼の合わせのものです。

双方ともクラフトハウス内 鍛冶屋工房にて製作したものです。

今回から合わせの刃物は 炭素鋼SK3と地金とを自分で鍛接して作りあげたものです。

グリーンウッドワークの削り道具として、細かいニュアンスを表現したい、そんな思いを形にしてくれると思います。

お問合わせ

tomio@tomio-imaru.com まで

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シェーヴィングホース

グリーンウッドワークの大道具の代表的なものの一つとして このシェーヴィングホースがあります。

マイクアボット氏は数多く シェーヴィングホースのデザインを手がけていますが クラフトハウスではその中の一つのデザインが使われています。

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こんなのです。

最近は 気持ちが変わってなにか違うデザインを形にしました。

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色々な事情が重なったりしてこんなの出来ました。

作り終わってから さまざまな次のステップの変更点が見えてきて まだまだ変わりそうです。

でもこれ 結構お気に入りです。天板のうえに飲み物もおけるし 長いボディーは 実は 柳で 軽く 座るに柔らかく 艶があっていいもんです。

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2014年8月19日 (火)

ナイフをたたいてつくる

私の場合 良くSK3という炭素鋼を刃物に使用しています。

炭素鋼は 歴史の長い 昔からの刃がねで 比較的熱処理が楽で まあ、気難しくない素材です。

炭素の含まれる割合が1%ほどです。

今回は このSK3の丸棒からナイフをつくる事にしました。

丸棒の太さは直径13mm。この丸棒を赤めてかんかんとハンマーでたたいて平たくして刃にします。

赤めてはたたき赤めてはたたきしているうちにだんだん平らでうすくなってきますが そうすると冷えるのも赤丸のも早くなり 火床とアンヴィルを往復するピッチがこまかくなって忙しいものです。

この赤い鋼をただただたたくという行為が案外面白いと感じました。

ちょっと刃が大きくなり過ぎた観がありますが柄をすげて 研ぎをして さらに柄を綺麗にナイフがけし、完成してみると でもでもいいものになりました。


動画

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もちろん実用品として 切れ味は抜群です。

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2014年4月 2日 (水)

ドローナイフについて

前にもお話ししたと思いますが あえてまたドローナイフについて です

今回は その形状と刃に関して お話です

ドローナイフ、ご存じの通り グリーンウッドワークの中で 非常に重要な道具のひとつで なくてはならない道具であります。

縁あってこの冬イギリスのロビン氏から主にイギリス ドイツ等のアンチックドローナイフを得ました。

この中に今回のお話しのポイントとなる気づきがあったのです。

これまで ドローナイフを使う時 通常平らな方を上にして使ってきましたが このやりかたで使うとちょっと使いにくい物がかなりありました。

その理由ですが それは持ち手の位置が ドローナイフの刃と同一線上にない、ということなのです。

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写真の2つのドローナイフ ハンドルがべベル(切刃)側よりかなり下についていて これを平らな方を上にして つまり写真の状態と反対にひっくり返して使うとうまく力がかからず使いにくいのです。

これを写真のようにべベル側を上にして使うとすんなり使えます。

べベルと反対側の平らな方ですが実は まったく平らではなくかなり刃が丸くハマグリ刃になっていてそのため このような使い方でもほとんど食い込んでしまう事はないのです。先生であるマイクアボット氏もやはり裏の平らな方は多少ハマグリにして平らな方を下にして使う事も可能であるように、と言ってますが まさにそのような使い方ですね。

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これは刃とハンドルが線上に並んでいるタイプで たぶん今はこのデザインが多いと思います。

まだオフセットの(ハンドルと刃が線上に並んでいない)ドローナイフは研ぎをしていないので ほとんど使ってませんが どんな使い心地か楽しみです

 

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