2016年8月 3日 (水)

インディアン ナイフ

グリーンウッドワークでは その材料になる木とそれを材料として使う人との間の距離が非常に近い。つまり使う人が材料の生の木の原木を自分で下ごしらえする事がほとんどです。

目前にある丸太をチェーンソーで玉切りにしたり また 板材を取ろうとやはりチェーンソーで挽いていきます。

さあ、テーブルなりスツールなり板材の表面の仕上げをどうするか、という問題があるのです。乾かして鉋掛け、というのが常道かもしれません。

今回は こんな状況ですごくグリーンウッドワーク的に面白い道具をご紹介しましょう。

インディアンナイフと名付けられたこの道具は 非常に単純な形です。ちょうど銀杏の葉っぱのような形をしています。

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上 柄が長く 荒削り用(両刃)

中 中仕事用(両刃)

下仕上用(片刃)

もし市販の丸ノミがありましたら これでもある程度出来ます。

今回は最初にそんな丸ノミで削りました

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今回の材料は 生木ではなく もう乾燥してしまった 樫の木片です。硬さではかなりあります。チェーンソーのギザギザの刃跡が目に入ってきます。

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木の繊維方向に対して直角方向がかかりやすいです、こんな風に削れて チェーンソーの跡がなくなりました。

この次に荒削り用のインディアンナイフを掛けました。

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最初の鑿跡がちょっと目ざわり観がありましたがだいぶ見ていて楽になります。(鉛筆で仕切って一番手前が加工なしのチェーンソーのまま、真ん中が丸ノミ、上がインディアン鉋で荒削りしたものです)

さらに中仕上用のインディアン鉋をかけます

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ここでは一番左がそれです

さらに仕上用のインディアン鉋をかけます

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ちょっと分かりにくいですが左手前の部分が最後の仕上げをしたところです。

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オイルをさっと塗りました、5番が最終仕上げをした部分ですね。

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オイルを塗ると仕上がりの状態がよくわかります。艶が出ています。

このように表面処理の仕方で随分と表情がかわるものです。

”平面”ではない平面、でもいいニュアンスになりますよ。

そしてこの削り作業がとても楽しく 時間を忘れて熱中するものがあります。削った部分を指先で確認しながらけずるのは楽しいものです。

お問合わせ tomio@tomio-imaru.com

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2016年3月11日 (金)

器挽きの刃物

器挽きに使う刃物は ”フック” ”ロクロ鉋”などと呼ばれています。

細長い鉄の棒の先端がくるっとかえっていて そこに刃が付けられているものです。 通常乾燥した木を材料とする機械旋盤の場合 刃ががっしりとしていて どちらかというとごつい感じですが 人力の脚踏みロクロでは 相手の木が生であり 柔らかい為に 機械旋盤の刃物よりもずっと華奢で繊細な感じです。

また この脚踏みロクロのフックですが 形状がいろいろ変化があり 挽く人にしかうまく作れそうもないのです。

おそらく 鍛冶屋さんに頼んでも自分の望む形はうまくできないと思います。

さて 私も何年も器用のフックを作っていますが 最近ようやく その形のパターンが形成されるようになりました。

フックにも美しい形があるのだ、という事に気がついてき始めました。

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通常 フックは刃先に向かって徐々に細くしていきます。器の外挽きには あまり細いものは強度の関係上向きません。

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2本のフック

右のフックは ロビン氏のフックです。とても形が洗練されていてきれいです。左のフックは私がちょっと前にたたいたものです。上手な人は 華奢なフックでも外挽きに使えますが それには 相当の技術が必要です、出ないと折ってしまうでしょう。

おそらく ほとんどのフックは 世界中どこでも 全鋼だと思います。でも最近私はようやく地金に鋼を鍛接したフックを作るようになり、全鋼とは一味違う挽き心地を味わう事が出来るようになりました。 鋼は ヤスキ鋼の青鋼や白鋼を使用しています。

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2015年8月31日 (月)

ストックナイフ

ストックナイフとは 押切のようにして木を大まかに削る道具です。ヨーロッパでは木靴の外側をこの道具で成形する事が多いです。

最近 クラフトハウスの木工教室でひそかにスプーン作りがブームになっています。

さてそのストックナイフですが その小型版をスプーン作りに利用しています。

通常 荒削りは手斧を使って行いますが 女性にとってはちょっと手ごわい道具ですね。

そこで このストックナイフのミニ版で荒削りすると 楽に 安全に大まかな形を削り出すことができるのです。

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こんな形です

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こんな風にセットして使います

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ここら辺まで削れるとあとはそうとう楽にナイフワークに移行できるのです。

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ざっとナイフを掛けました

ストックナイフがあると完成まで早いものです

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2015年4月20日 (月)

刃物の話

地金が大事

地金とは 刃物の刃先の刃金を支えるベースの部分の事

物を切る時にはその刃金が直接切るわけだけれども かといって それを支える地金が大事ではない、という事はないんです。

ヨーロッパアメリカなどでは 早くに製鉄 鍛冶屋といった分野が工業化され ほとんどこの合わせの刃物(つまり地金と刃金を鍛接した)は忘れ去られてしまいましたが 幸か不幸か 日本では大規模工業化が遅れ したがって 鍛冶屋的な 単位の小さい製造技術がつい最近まで 大手を振っていたのでした。

前置きが長くなりましたがその鍛接のさい 大事なのが地金です。 鉄は その炭素量が少なくなればなるほど柔らかく柔軟で展延性に富んだ性質を帯びるものです。

鍛接の際に刃金と地金がくっつくことを英語では"stuck"=食いつくといいます。これは柔らかい地金がたたかれて硬い刃金に食い込んでいく様子を表現したもので 絶妙の観があります。

昔の鍛冶屋は この地金には特に良く練られた つまりたたいて柔らかくなった軟鉄を使っていたようで 社寺仏閣など改築の際にでる古釘などを収集する地金屋という職業もあったようです。

さてさてそんなわけで 今回作った クラフトハウス特性のドローナイフはその点に着目して 極軟鉄を地金としました。

火花試験をも事前にして確認した極軟鉄、実際の鍛接作業もスムーズに進行しいよいよ研ぎをしたのですが

これまでの地金に比べ ちょっとその表情が変わって見えました。なにか 昔風の包丁や鑿のあの雰囲気に近いです。 研ぎ自体も柔らかく楽です。

今回の極軟鉄地金の導入では 色々学びましたが なかでも刃物の表情の好ましいことと 研ぎの楽しさが忘れられない感じです。もし 極軟鉄がごく一般的に出回っていれば 今の刃物業界のあり様も きっとそうとう変わっていた事であろうと思うほどです。

つまり全鋼の刃物だと研ぐのが大変だし、 柔らかい地金だからこそ その美しさや 研ぎを含めたメンテナンス

の楽しさ、そして その刃物にふさわしい砥石の選択まで話は広がりそうです。

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実際のところ研ぎ自体は あまり自慢できませんが 切れ味はとても良いです。

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2015年4月 6日 (月)

ドローナイフ

ドローナイフは グリーンウッドワークの代表的な道具のひとつであり 同時に 本来 日本にはないものであります。

強いて使うとなれば 銑(セン)ですが 多少の柄の角度の調整をしないと使いにくいと思います。

そのドローナイフですが 日本人的デリケートに見合った ドローナイフとなると ミニドローナイフの方があっていると思います。 使いやすさ、重さ 削りのニュアンスの表現の道具としてのドローナイフなどと考えると 従来の刃幅が20cm以上あるものでは ちょっと大きすぎだと思います。

そしてそんな要望にこたえる 小型のドローナイフは これだ、と思うものがなかなかないものですし もしあっても入手が面倒なものです。

そこで これまでずいぶん手間暇をかけて やっとドローナイフ製作が一つのレベルまできました。

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刃幅は10~15cmほど

刃は全鋼ものと 地鉄、炭素鋼の合わせのものです。

双方ともクラフトハウス内 鍛冶屋工房にて製作したものです。

今回から合わせの刃物は 炭素鋼SK3と地金とを自分で鍛接して作りあげたものです。

グリーンウッドワークの削り道具として、細かいニュアンスを表現したい、そんな思いを形にしてくれると思います。

お問合わせ

tomio@tomio-imaru.com まで

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シェーヴィングホース

グリーンウッドワークの大道具の代表的なものの一つとして このシェーヴィングホースがあります。

マイクアボット氏は数多く シェーヴィングホースのデザインを手がけていますが クラフトハウスではその中の一つのデザインが使われています。

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こんなのです。

最近は 気持ちが変わってなにか違うデザインを形にしました。

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色々な事情が重なったりしてこんなの出来ました。

作り終わってから さまざまな次のステップの変更点が見えてきて まだまだ変わりそうです。

でもこれ 結構お気に入りです。天板のうえに飲み物もおけるし 長いボディーは 実は 柳で 軽く 座るに柔らかく 艶があっていいもんです。

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2014年8月19日 (火)

ナイフをたたいてつくる

私の場合 良くSK3という炭素鋼を刃物に使用しています。

炭素鋼は 歴史の長い 昔からの刃がねで 比較的熱処理が楽で まあ、気難しくない素材です。

炭素の含まれる割合が1%ほどです。

今回は このSK3の丸棒からナイフをつくる事にしました。

丸棒の太さは直径13mm。この丸棒を赤めてかんかんとハンマーでたたいて平たくして刃にします。

赤めてはたたき赤めてはたたきしているうちにだんだん平らでうすくなってきますが そうすると冷えるのも赤丸のも早くなり 火床とアンヴィルを往復するピッチがこまかくなって忙しいものです。

この赤い鋼をただただたたくという行為が案外面白いと感じました。

ちょっと刃が大きくなり過ぎた観がありますが柄をすげて 研ぎをして さらに柄を綺麗にナイフがけし、完成してみると でもでもいいものになりました。


動画

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もちろん実用品として 切れ味は抜群です。

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2014年4月 2日 (水)

ドローナイフについて

前にもお話ししたと思いますが あえてまたドローナイフについて です

今回は その形状と刃に関して お話です

ドローナイフ、ご存じの通り グリーンウッドワークの中で 非常に重要な道具のひとつで なくてはならない道具であります。

縁あってこの冬イギリスのロビン氏から主にイギリス ドイツ等のアンチックドローナイフを得ました。

この中に今回のお話しのポイントとなる気づきがあったのです。

これまで ドローナイフを使う時 通常平らな方を上にして使ってきましたが このやりかたで使うとちょっと使いにくい物がかなりありました。

その理由ですが それは持ち手の位置が ドローナイフの刃と同一線上にない、ということなのです。

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写真の2つのドローナイフ ハンドルがべベル(切刃)側よりかなり下についていて これを平らな方を上にして つまり写真の状態と反対にひっくり返して使うとうまく力がかからず使いにくいのです。

これを写真のようにべベル側を上にして使うとすんなり使えます。

べベルと反対側の平らな方ですが実は まったく平らではなくかなり刃が丸くハマグリ刃になっていてそのため このような使い方でもほとんど食い込んでしまう事はないのです。先生であるマイクアボット氏もやはり裏の平らな方は多少ハマグリにして平らな方を下にして使う事も可能であるように、と言ってますが まさにそのような使い方ですね。

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これは刃とハンドルが線上に並んでいるタイプで たぶん今はこのデザインが多いと思います。

まだオフセットの(ハンドルと刃が線上に並んでいない)ドローナイフは研ぎをしていないので ほとんど使ってませんが どんな使い心地か楽しみです

 

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2012年1月 9日 (月)

チョッピングブロックの作りかた

チョッピングブロック

このチョッピングブロックとは つまり 作業用のまな板です。

手斧を使って木を削る時に使うまな板の事です。

作業の高さが腰高になっていて しゃがみこんで作業するよりもずっと作業性がいいです。

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なにか奇妙な形に見えるかもしれませんが 見方によっては可愛いものです。

このチョッピングブロックがあるとないとでは かなり効率が違います。

目立たない道具ですがグリーンウッドワークには不可欠な道具でもあります。

材料

直径20~30cm程度の玉切りの丸太(できれば広葉樹でなおかつケヤキがいいですが、もし手に入らなければ

その他の縦割れの起こりにくい材がほしいところです)

直径15~20cmほどのナラなどのしなやかな枝木で長さ1.2mほど真っすぐに近い、多少カーブしている程度のもの

Chopping_block_making_taichan_081

まず ブロック本体の角を面取りします。そして同時に外皮を剥きましょう。外皮が着いたままだと 場合によっては鉄砲虫などが外皮の下にいる場合には 後々外皮がはがれおち、なおかつ食い散らかしたあとが残ります。

そうしたらつぎに脚の差し込み穴を開けます。

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最初の写真のような脚の広がりになるように定規にあわせて角度を付けて開けます。開ける穴は3か所です。

3等分の位置にブロックの中心に向かってあけるのです。ドリルの径は30mmです。

この時 必要になるのが写真のような手回しの刃の長いドリルです。なぜ手作業かというと電動ドリルでは力不足で穴があきませんし、またもし力があるものを使うとなると こんどは固定が難しく 下手をするとあばれて大惨事になってしまうのです。

写真のように作業する人がブロックの上に乗っかって手回しで開けるのが一番確実な方法です。かなり力が必要ですがこの程度であればグリーンウッドワーカーなら頑張りましょう。3つだけですから。

深さは10cmほどにしました。

さて一苦労おえたら 次は 脚です。

まず材料の木を半割にして さらに割って4本の部材にします。

その中から選んで 良いものを3本材料にします。もしものために1本はスペアーとしてとっておきましょう。

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ある程度シェーヴィングホースなどで形を削り出したら そろそろ長さを決めて切ります。ブロック本体の上面までの高さとしてはベルトの下あたりがいいと思います。

そしてその高さにあわせて脚の長さプラス差し込み代プラスブロックの長さプラス10cmくらいにしてあまりきっちりに切らないで遊びを持たせて切ります。

さて脚の長さをある程度切って決めたら その脚の全体の調子を見て修正し程よい形に整えていきます。

最終的に立ち上がった時には脚先が外に向かって広がるように整えるのです。安定性と美観から。

ドリルで開けた穴に差し込む部分は当然穴径の30mm以下になりますがあまりきつくても、あまりゆるくても具合が悪いという程度の差し込み具合に削りましょう。少しずつ削っては削り面をずらして削ってすらしてというふうにしていくと案外丸く削れます。ある程度削れて来たら今度は ブロックをそばにおいてその穴に直に現物合わせしてさらに調整していくのです。

3本の脚が用意出来たらさて実際に差し込んでみましょう。そして 立ててみましょう。

そろそろ終わりに近づいてきました。

ブロックの上の面が水平になるようにしなくてはいけません。平らな所に立てて水平を出します。つまりもし水平出ないとしたら脚に板などかまして水平にします。

そしてつぎに角材などを定規にして切りそろえるための線を脚にひきます。

そしてその線に沿って脚の余分を切り落とすのです。

切り落とし終わったら角を面取りして、さあ、出来上がりです。

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暇な時間をみつけて 一つ作りましょう。

あるとないとでは ずいぶんと違うものですよ。

お問合わせ tomio@tomio-imaru.com

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