炭切り
炭切り
様々な道具、刃物など鉄関係のものを鍛造しますが、その時の燃料になるのが炭です。
この燃料には他にも コークス、石炭あるいは ガスなどが私のような小規模な設備にはむいています。 コークスは熱量がありかなり高温を得られますが、 あのベトベトとした燃えカスは好きになれません。 またガスはいちいち消さずに燃しっぱなしにするのは何か違和感があるし、でもクリーンで立ち上がりが早くいいのだけれど、で、やっぱり炭が一番ということになるのです。
さてその炭ですが 炭焼きのひとから一袋千円ちょっとで買ってきて そのまま燃料に使えるわけではないのです。2~3cm角くらいの大きさに切り揃えるのです。この作業は結構大変ですよ。 一袋切るのに 大体2時間弱くらいかかります。その間 手はもちろん 顔や鼻の穴まで真っ黒になります。ま、石鹸で綺麗に落ちるので何ということではないのですが。
これまで この炭切りのために 包丁を3つ作りましたが 自分としては 分厚くて 重量のあるものが重宝しています。

写真の包丁がそれです。 一番先端のちょっと丸くカーブしているところが場合によっては結構使えて、その部分で円を描くように炭を切るとコツコツと心地よい音をたてて切れていきます。 まな板の一番端の木口の角と包丁の刃の部分がうまく合うと綺麗に切れます。
炭を切っている時に感じるのは 炭にもやはり木の個性があって、とても硬くて例えば 樫などのように切った瞬間に かなり遠くまで飛ぶものや とても何というか柔らかくて優しいものや ばらばらと粉のように崩れるものまでいろいろあるんです。
もとは何の木なのかがわかるのは その樫くらいであとは よくわかりません。 機会があったらぜひ炭焼きを訪ねてこの木の種類を確認したいものです。
炭一袋で 大体写真のような大きさの段ボール箱1杯半前後になります。 いつもは 一袋で止めますが きばって2袋やったり、年に何回かは 3袋を1日でやる時もあります、やむにやまれず。1日鍛冶屋仕事をもしやったら この箱2つくらいは使うものです。
炭切りの最中に考えたのですが、 最近は花や野菜まで炭になっているので もしかしたら動物も炭になるのか?という疑問がわいてきました。もしできるのなら 人間も!エジプトのミーラも 炭のミーラ、私も炭のそれ。 火葬の時に なんかよくわかりませんが 酸素欠乏状態で燃やせば”炭になる”。 もちろんこれは冗談の範囲内ですが。
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