器挽きの刃物
器挽きに使う刃物は ”フック” ”ロクロ鉋”などと呼ばれています。
細長い鉄の棒の先端がくるっとかえっていて そこに刃が付けられているものです。 通常乾燥した木を材料とする機械旋盤の場合 刃ががっしりとしていて どちらかというとごつい感じですが 人力の脚踏みロクロでは 相手の木が生であり 柔らかい為に 機械旋盤の刃物よりもずっと華奢で繊細な感じです。
また この脚踏みロクロのフックですが 形状がいろいろ変化があり 挽く人にしかうまく作れそうもないのです。
おそらく 鍛冶屋さんに頼んでも自分の望む形はうまくできないと思います。
さて 私も何年も器用のフックを作っていますが 最近ようやく その形のパターンが形成されるようになりました。
フックにも美しい形があるのだ、という事に気がついてき始めました。
通常 フックは刃先に向かって徐々に細くしていきます。器の外挽きには あまり細いものは強度の関係上向きません。
右のフックは ロビン氏のフックです。とても形が洗練されていてきれいです。左のフックは私がちょっと前にたたいたものです。上手な人は 華奢なフックでも外挽きに使えますが それには 相当の技術が必要です、出ないと折ってしまうでしょう。
おそらく ほとんどのフックは 世界中どこでも 全鋼だと思います。でも最近私はようやく地金に鋼を鍛接したフックを作るようになり、全鋼とは一味違う挽き心地を味わう事が出来るようになりました。 鋼は ヤスキ鋼の青鋼や白鋼を使用しています。
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