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2015年4月20日 (月)

刃物の話

地金が大事

地金とは 刃物の刃先の刃金を支えるベースの部分の事

物を切る時にはその刃金が直接切るわけだけれども かといって それを支える地金が大事ではない、という事はないんです。

ヨーロッパアメリカなどでは 早くに製鉄 鍛冶屋といった分野が工業化され ほとんどこの合わせの刃物(つまり地金と刃金を鍛接した)は忘れ去られてしまいましたが 幸か不幸か 日本では大規模工業化が遅れ したがって 鍛冶屋的な 単位の小さい製造技術がつい最近まで 大手を振っていたのでした。

前置きが長くなりましたがその鍛接のさい 大事なのが地金です。 鉄は その炭素量が少なくなればなるほど柔らかく柔軟で展延性に富んだ性質を帯びるものです。

鍛接の際に刃金と地金がくっつくことを英語では"stuck"=食いつくといいます。これは柔らかい地金がたたかれて硬い刃金に食い込んでいく様子を表現したもので 絶妙の観があります。

昔の鍛冶屋は この地金には特に良く練られた つまりたたいて柔らかくなった軟鉄を使っていたようで 社寺仏閣など改築の際にでる古釘などを収集する地金屋という職業もあったようです。

さてさてそんなわけで 今回作った クラフトハウス特性のドローナイフはその点に着目して 極軟鉄を地金としました。

火花試験をも事前にして確認した極軟鉄、実際の鍛接作業もスムーズに進行しいよいよ研ぎをしたのですが

これまでの地金に比べ ちょっとその表情が変わって見えました。なにか 昔風の包丁や鑿のあの雰囲気に近いです。 研ぎ自体も柔らかく楽です。

今回の極軟鉄地金の導入では 色々学びましたが なかでも刃物の表情の好ましいことと 研ぎの楽しさが忘れられない感じです。もし 極軟鉄がごく一般的に出回っていれば 今の刃物業界のあり様も きっとそうとう変わっていた事であろうと思うほどです。

つまり全鋼の刃物だと研ぐのが大変だし、 柔らかい地金だからこそ その美しさや 研ぎを含めたメンテナンス

の楽しさ、そして その刃物にふさわしい砥石の選択まで話は広がりそうです。

20150420super_mild_steel_based_draw

20150420super_mild_steel_based_dr_2
実際のところ研ぎ自体は あまり自慢できませんが 切れ味はとても良いです。

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