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2008年11月14日 (金)

スプーン作り その1

さて これまでいろいろ準備して来ましたが いよいよスプーン作りの実際に入ります。

今回は 材料としてまさに理想的な生のカエデの枝が入りましたので これを材にして始めたいと思います。

Dsc01225 このように自然に曲がったかえでの枝の部分が格好の材料になります。

ただしこの曲がった部分に節などないものを選んでください。

この枝は直径7cmほどです。鋸で両端を切り落とすときには多少長めに切ってください。

1.半分に割る

まず半分に割ります。大事なことの一つは年輪の中心です。半分の線に年輪の中心が来ているように割るのが理想的です。割ってしまった2本が大まかに等しく2つに割れるのが一番良い割れ方です。

Dsc01228 今回の材は多少芯とずれてしまいましたが 長さがあまりないので、つまり短いのであえて割ってみます。うまく割れると曲りなりに2等分に割れるはずです。道具は写真のようなナイフで口を作り 薄刃斧と木ハンマーで割れるはずです。

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うまく割れると写真のようになります。使うのは上の方の半分です。

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このように自然に曲がった枝は木の目自体が曲がっているのでスプーンに加工しても削りすく また面白い目が出るものです。

2.スプーンのイメージを材と相談して決める

Dsc01234 見てください、この枝は少し曲がっています。私は木のこのような曲がりをそのまま生かすのが好きなので木に引いた線のような形をイメージしました。(通常自分一人で作るときにはあまり線は引きませんが ここではわかりやすいようにと線を引いていますのでご承知ください)。

3.荒削り

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スプーンのボール(丸い部分)の付け根の下に鋸で切れ目を多少入れます(私は多くの場合斧で叩き落していますがここではやはり初めての人にできるように鋸を使っています)。この切れ目を谷間にするように左右から削ります。もし小型の手斧を持っていましたらこの作業は簡単ですね。もしなくてもナイフで削っていくことは思ったほど大変ではないと思います、生の木ですから。

ここで小型の手斧の使い方をごく簡単に説明しますが、まずこの刃物は実際はもっと長い柄がついていましたが、手斧の柄に付け替えています。

手斧を持った腕のひじはからだの脇につけて離さず、手首から先だけを上下に動かすようにして軽くはつるように木を削ってください。その際中指か人差し指を刃物を動かす運動の中心にするようにして使うのです。

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このほかスプーンのボールの先端の下側や柄の余分な部分などこの小型の手斧ではつると非常に楽ではあります。ただしここでもナイフで削ることもできます。この時削ってはその形をこまめにチェックして自分のイメージを確認しましょう。一気に削ろうとせず、全体を見ながら削るのです。自分が気に入らない部分をあるいは余計だなと感じる部分を削り取っていくことです。

大きく木を削りとる作業は一応ここらへんで終えて、手斧を傍らにおいておきます。場合によっては再度手斧を使うこともあります。あまり手斧での作業には深入りせず少し太めの状態でやめます。Dsc01244

次にはいよいよナイフで削り始めます。先ほどと同様にまず大きく削る必要のある部分を削っていきます。自分のイメージと手に持った材木を見ながら少しずつ違和感のある部分を削りましょう。Dsc01247

これくらいまで削ったらだんだん削りのスピードが遅くなりどこを削ったら良いかわからなくなるときが来ます。そうしたら

次の段階です。ボールを削りましょう。

4.ボール削り

まず準備としてボールの水平を出します。やり方はボールの面を下にして鉛筆などで線を引くことです。この時もちろんあてがうものは平らでなくてはなりません。そしてボールの角度を決めます。平たい器用のスプーンは角度が平に近く、深皿などあるいは汁物に使うスプーンは柄とボールの角度がある程度ないと使いにくいものとなります。

Dsc01250 引いた線のところまでナイフで削り落とします。この時最初にボールの外側の線の部分を最初に面を落とすように削ってください。ボールの内側はどの道ツーカカムで削りますのであまり神経質になる必要はないでしょう。

さてツーカカムです。片手に握って握力で削ります。なれないとちょっとやりにくいかもしれません。気を付けるのは親指です。ツーカカムが勢い余って親指を怪我しないように削り幅は親指まで来ない程度、そしてあまり強い力で削らないことです。もう一つ始めての方はタオルや軍手をして親指を保護してください。また親指は必ずスプーンのボールの下に添えて直接ツーカカムの刃が直撃しないように心がけてください。

いいですか、親指はボールの下、タオルで保護、力をかけすぎない。です。

削るときは木の目に対して直角にかけるとうまくいくはずです。横掛けしてください。Dsc01252

Dsc01254 ボールを削ってみるとだんだんスプーンらしくなってきてイメージが活発になってきます。ある程度削ったらボール以外の部分に目を移して改めて削る部分が見えてくるものです。そしたらツーカカムをナイフに持ち替えて削ってください。このようにして大体ボールの内側の7割くらい削ります。

5.全体のバランス

さあ、一息ついて改めてスプーンを手にとって少し遠めに見てみましょう。

正面から、後ろから、下から横から、など色々な角度からスプーンをみてバランスをチェックします。柄とボールの太さの関係、柄の長さ、ボールの大きさ、形、またボールと柄の角度のずれなど良く調べましょう。バランスの点から形を修正して行きます。

Dsc01253

Dsc01254_2 もうここらへんからはスローダウンです。ちょっと削っては考え、また削り、を続けます。その間にもボールの中をツーカカムで少しずつ仕上げて生きます。

6.場所を変えて

そろそろ仕上に近づきました。

そこで一息ついてお茶にしたりしましょう。そして手を石鹸で綺麗に洗ってください。ただし木の種類によっては手がタンニンで多少黒くなったりします。石鹸と固めのブラシで落としてください。またできれば場所を移動して 異なる光線の元で作業すると今まで気にならなかった部分が見えてきます。ただしここでは綺麗な軍手を左手にしてもうスプーンが手の汗で汚れないようにしたほうが良いでしょう。

7.ボールの仕上

いよいよボールをツーカカムで仕上げます。ふちを3mmぐらいあるいは4mmぐらい残してツーカカムで削ります。この時ボールの内側が納得のいく円形になっているようにします。多分ツーカカムを使い慣れないとガツガツと引っかかってでこぼこになるでしょう。これを綺麗にするには技術が多少いります。真横に刃を移動するのではなく多少斜めに手前にスライドさせながら削るのです。また仕上は横引きではなく縦方向に刃を動かします。

今度はボールの外側をカーヴィングナイフでふちを均一な幅に整えます。さらにボールの下側の丸いカーヴを綺麗に整えます。

8.柄の仕上

柄はまだあちこちでこぼこがあると思います。まず出っ張りを整えて線をつなげていきます。このとき長い削りカスが出るように削ります。大事なことは柄の線をつなぐことです。

さらに指先で全体をチェックして引っかかりをさがし そこを修正します。

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Dsc01263 Dsc01262 最後の最後に植物性の乾性油を手で塗りこめて終了です。お疲れ様でした。

なおここで紹介したスプーン作りは 材料が生木です。削っていくうちに徐々に手と熱意で木の水分が抜けてかなり乾いていきますが、まだ完全に乾くには時間がかかります。

念を入れるのであれば 二三日直射日光や温風を避けて静かな場所で静養させてください。そしたら再度グレープシードオイルなど植物性乾性油を塗って 多少チッシューなどでふき取ってお使いください。きっとナイフで削った部分はきらっと光っていい感じになります。

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