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2008年8月 1日 (金)

時代の変遷  その1

ポールレーズによる器挽きと 動力機械による器挽きの違い

私たちは 人類の歴史の最先端の時代に生きています。過去何万年ものあるいは何十万年もの歴史の最先端です。

現代という時代は 工業製品的な製造パターンや センスが無意識的に物事を左右しているのです。

精度、完成度、デザインなどにポールレーズでの器挽きと大きな違いがあります。

そもそも器は古来人力によって挽かれてきたのです。工業化されたのは100年や200年前のことです。

工業化されるということは 量産を前提として効率を重んじ、同じものを大量に低価格で作ること、 とすれば この100年200年の間に時代の流れが大きく 変わってきたのです。

工業化はある意味 大衆化でもあります。これはヨーロッパにおける音楽の変遷にも似ています。

優雅な宮廷音楽は徐々に裕福な権力者のもとを出て、広く一般大衆の前に出て行ったのです。聴衆が 数人、数十人であったものが やがて何百 何千 何万 何十万の人を相手に音楽を奏でるようになっていったのです。

楽器にも変化がありました。アンプなどオーディオ設備がなかった昔 優雅な音色のチェンバロは音が小さく 大人数を相手に演奏ができませんでした。  これを克服すべく誕生したのが ピアノであったのです。

現代では 音は電気を使っていくらでも大きくできるようになったのではありますが。

話が少しそれましたが、ロクロの世界でも このような流れに乗って まず 人力が 動力に取って代わるのです。つまり蒸気機関の上下のピストン運動を回転運動に変えたように 足踏みは やがてはずみ車式の一方向の回転に変わり そして 水力などのエネルギーを利用した動力の道を歩んでいくのです。

それに伴って 刃物も変化していきました。

これまでのポールレーズの刃物の持つ優雅な曲線から ごつい角度をした刃物に変わったのです。私は この刃物の違いを見るとまさに時代が変わったのだと強く感じるのです。高回転ですぐにストップできない、力が強い動力では 挽く木片に刃物が引っかかっていわゆるキャッチが起こることは怖いことなのです。いまだにその危険性をカバーするために大げさなゴーグルやプロテクターなどを装着して作業するのです。(日本の伝統的な木地師のかたは こういった装着をしないようではありますが)。

また乾燥木を材にし、 高回転数であるということは 刃先の消耗を早め、 またその刃先の加熱は 薄く華奢な刃物にとっては好もしいことではなかったのです。

回転方向が一方向でギアーなどによって回転数を飛躍的に高くできるようになり また強力な力で回転するため 速く綺麗な製品ができるようになったのです。

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