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2008年7月27日 (日)

グリーンウッドワークのアナロジー

グリーンウッドワークは大量生産を前提とした生産方法ではない。むしろ手作業で作品を作る喜びを最大限引き出そうとする木工ともいえるとおもう。

このようなスタイルの違いは 色々な場面に置き換え、当てはめてみることができると思う。

もしグリーンウッドワークのアナロジーを今の日本漁業のオイルショックにあてはめたら、、 手漕ぎの船や 風力利用のヨットで 近海漁業をするでしょう。

経費を抑えて 手漕ぎの船で近海に出漁すれば ランニングコストは比較的安価に納まるはずです。もちろん 漁獲高は落ちます。

一つ一つ個別生産するのではなく 同じ部品を大量に一度に作り それらを組みたてて 製品にしていく、あるいは巨大な経費を投じて 効率よく収量をあげる方向性。

このような方向性は 大量に安く製品を不特定多数のお客にいきわたらせる方法であり、そして実際私達は それなりの品質を低価格で享受しているのです。

然るに グリーンウッドワークは 方向性が まるで正反対。

ランニングコスト、経費が安い、身の回りの材を使う。大量生産、大量消費ではなく少量生産 愛用使い

このような方向性が望まれることは 今の世相を反映しているからだともいえる。

例えば グリーンウッドワークで作られた椅子を見る目で携帯電話やパソコンの基盤を見ることはないはずです。

命なき 大量生産の製品に 生命感を感じ得ない人たちの満足感を見出す新たな方向性。これがグリーンウッドワークとして結晶するのです。

グリーンは まさに 命の色です。

時代の大きな変化の兆しを グリーンウッドワークに 見るおもいです。

このグリーンウッドワークの要素である ”手道具 反機械化 ローコスト 手仕事 遠洋でなく 近海” などの合言葉で身の回りの世界を見直してみましょう。

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2008年7月13日 (日)

上級者向け スプーン作り

今日は スプーン作り教室でした。
前回 鍛冶屋仕事してつくったスプーン用刃物を試運転する意味もあります。
うちには 現在2名の生徒がグリーンウッドワークを勉強に来ていますが 本日はそのうちの1名が発熱欠席し 1対1の教室となりました。欠席した生徒はもう2年の週末グリーンウッドワーク教室に通ってきており まもなく卒業する方です。(スプーンは小さいからといって 馬鹿にできるものではないのですが ぜひ この秋までに伝えておかねばならないとおもっていたのですが)。
で、今日は2人でした。

スプーンは 先ほどいいましたが 実は 非常に難しいものです。
ナイフワークなど 手の技、知識、デザインの感性などが必要になります。
もし 機会があれば 生木の丸太をもらうチャンスがあったら 試してみてください。
おそらく どこをどうやって木取りして どう加工すればいいかほとんどわからないでしょう。
またもしそれができても きっとただの 小割にした丸太の材料からそれなりの形のスプーンをつくるのがいかに困難なことか 実感するはずです。
どこをどう削れば スプーンになっていくのかわからず 削っていくほどに形が 自分のイメージから遠のいていく、そんな場面に陥るのです。

もうひとつ ナイフワーク。
実は木工を専業にする方の中にも 今や機械化が進み ナイフなどを使った手仕事としてのナイフワークには なじみのない人が 案外いそうです。
ナイフワーク、実は 非常に 奥が深く なおかつそれを習得するのには それなりの手の労力が必要なのです。
単にナイフを使って木を削ること一つとっても 効率よく しかも安全に削るとなると 熟練した人と初心者とでは雲泥の差があるものです。
簡単そうにやっているけれど 実際やってみれば できない、そんなものなのです。

2008_picture_of_the_carving_knife_s生の丸太の桜が材料です。これも自分で裂いて木取りします。
どこが材になるか、を見ながら木取りします。


2008_picture_of_the_carving_knife_2手斧を使っての荒削り作業です。大まかな形をここで決めます。自分がどんな形のスプーンを作るのかがわからないと形が出てきません。


2008_picture_of_the_carving_knife_3これが 生徒さんの荒木取り後の状態。



2008_picture_of_the_carving_knife_4わたしもお付き合いしてこんな感じです。



このあとからナイフワークに移行します。
2008_picture_of_the_carving_knife_5生徒さんの完成品 軽く乾性オイルを塗りました(もちろん食用のオイルです)。


2008_picture_of_the_carving_knife_6こちらは 私の完成品



何度かこれまでにいいましたが うちでは 紙やすりは 使いませんので ご承知置きください。
2008_picture_of_the_carving_knife_7実際に使って できばえを確認しました。いろいろ作品の問題点がわかってくるものです。


2008_picture_of_the_spoon_making_wi2008_picture_of_the_spoon_making__2
前回の教室で作ったものと同型の
左 カービングナイフ 
右 ツーカカム

なお 今日は夏休み前の最後の教室になり 今日以降9月まで 長い夏休みに入るのです。

新しい生徒さん募集中です。

いつも 秋から いわばグリーンウッドワークの新学期が始まります。最初は 手道具を作ることから始まり 一通りそろうころに 材木になる伐採したての生木がやってきていよいよ作品作りが始まるのです。

メール「20080623_172413161.zip」をダウンロード
midorinocraft@nifty.com
 

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2008年7月11日 (金)

a large porringer3

続き
いよいよ 細かい線の修正などして ついに完成しました。
2008_picture_of_the_porringer_for_k2008_picture_of_the_porringer_for_22008_picture_of_the_porringer_for_3



耳が小さめ 器の内側の直径21cm です。これは 集中して挽いてもまるまる二日はかかるでしょう。

2008_picture_of_the_porringer_for_42008_picture_of_the_porringer_for_5もとはこの桜でした。多くの削りカスと エネルギーを費やしてやっと完成という感じですね。
今後やはりひびが入るのか まだわかりませんが 覚悟はしてます。
なお本当の完成は 乾燥後にオイルディップ処理をほどこしてからということになります。

さまざまな感想、質問 技術的な疑問などお寄せください。
メール midorinocraft@nifty.com

コメントも  どうぞ。

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2008年7月10日 (木)

a large porringer 2

続きです
その後 今度は 器の内側を挽き始めました。
回転軸の芯の部分以外を全て削り下げないで器の内側のところから必要なだけの溝を削っていくのです。
2008_picture_of_the_porringer_for_k2008_picture_of_the_porringer_for_22008_picture_of_the_porringer_for_3だんだん内側の芯を細く落としていきます。もうなんとなく器になってきました。


2008_picture_of_the_porringer_for_4こうやって ついに芯を落としました。周りの削りかすは今回の作品の削りカスの一部です。ここまで来ると一区切り付きますね。


2008_picture_of_the_porringer_for_5次には 耳以外の部分を手斧で落とします。つまり土星の環の耳になる部分を除いたその他の部分を落とすのです。


2008_picture_of_the_porringer_for_6
内外のへそを削り落とします。


2008_picture_of_the_porringer_for_7オイルを塗る前2008_picture_of_the_porringer_for_8
オイルを塗った後
このオイルは 本式のものではありません。1月ほど乾燥させてからオイルの正式ディップをします。あくまでこれはどんな風になるかを確認するためのオイルです。

2008_picture_of_the_porringer_for_9このあと  出っ張りなどを 仕上げ削りします。



2008_picture_of_the_porringer_fo_10もう一息ですね。

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2008年7月 8日 (火)

桜の 大ポリンジャー A large porringer

昨日から 桜を材にして ポリンジャーを挽き始めました。
  ”桜は 割れやすい”という恐ろしい(せっかく挽いて満足感に浸っても割れが入る恐れがある)常識を頭の片隅に置きながらの作業です。
そのようなことになるべくならないようにと 年輪の中心はすこし落とすつもりではありますが。
2008_picture_of_the_porringer_for_k材料の桜は半年以上寝かせておいたもので かなりふけてきました。これが良いアクセントになればと思っています。

Although a cherry is likely to split, I tryed turning a large porringer of cherry tree.

2008_picture_of_the_porringer_for_2その直径は30cmほどなので それにあわせて長さを決め 玉切りにして 今度は 年輪の中心から 2つに割ります。割ってみて まだ木が 傷んでいないのでほっとしました。

2008_picture_of_the_porringer_for_3材の下ごしらえとして、正方形の材をチェーンソーで8角形に落とし、器の外側になるほうの角を落とし
さらに 角張りを斧で落とします。この下ごしらえに手間をかけるほどロクロにかけてからが楽になります。 でも 私は 早く乗せました。どんな挽き具合か試したかったからです。

2008_picture_of_the_porringer_for_4どうです、かなり角張っているでしょう。この角があると刃物が がたがた当たってうまく挽けずに 不愉快な削りがでこぼこがなくなるまで続くのです。


2008_picture_of_the_porringer_for_5この作業のための専用フック=刃物=かなり頑丈で多少の衝撃でも折れたりしません。頼りにしています。


For roughing out, I use to turn with a tough hook tool.

2008_picture_of_the_porringer_for_6最初 この桜の塊は 非常に重いためにトリドルの(踏み板)ストロークがスローアクションになり 一踏み 1秒以上かかります。そんなことをしながら数時間すると外側の大まかな形が 出現してきます。
今回のテーマは ポリンジャーなので 耳のもとになる土星の輪を挽かなければなりません。結構手間がかかります。
2008_picture_of_the_porringer_for_7



2008_picture_of_the_porringer_for_8ひっくり返して内側を削ります。

ここまで来ると 外側は7割ぐらい来た感じでしょうか。



2008_picture_of_the_porringer_fo_10



2008_picture_of_the_porringer_fo_11これだけの重さの木の塊を 何時間も挽くのはかなり 体がくたびれるものです。


My  bamboo for pole lathe activates the return in a slow action. I had to have a wait for the bamboo comes up again for a second or so. It gets me  much more tired. It is so hard to continue the turning large bolws, and I gave me frequent breaks.

続く

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2008年7月 5日 (土)

まもなく 夏休み

ここ 津久井の グリーンウッドワーク教室の始まりは 秋です。 ですから 一年の終わりは7月末の 梅雨明けのころです。 そして もうすぐ その1年が終わります。
現在 1人の生徒が 2年目を終えます。 もう一人の方も1年を終えることになるのです。
随分ぎっしり詰まった教室が続きました。
一人の生徒は 秋から3年目に突入、もう フリーになります。
ほとんど 何にたいしても白い状態であったことが かえってよかったのかもしれません、何が良いんだかわかりません。

グリーンウッドワーク教室はほとんど 毎週末行われています。
グリーンウッドワークの手道具作りから始まって 少しずつ 前進していきます。
良かったらご参加ください。
ここは神奈川県の山際です。最寄り駅 橋本です。
朝9時半から 5時前後までです。内容は スプーン作りから 器挽き 椅子作り 木工小物つくりなど 人によって さまざまです。
お問い合わせ 
midorinocraft@nifty.com

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2008年7月 3日 (木)

曲刃物の詳細

今回曲刃のナイフの詳細をご紹介します。

2008_picture_of_the_detail_of_the_8

cm方眼紙に寸法を移しました。参考にしてください。
通常のカーヴィングナイフのように 刃の先は先細りにし 付け根で4mmほどの厚みです。
この刃物では 荒削り、中仕上げに向いていると感じます。仕上げには さらにシャープな薄い刃物を考えたほうがいいでしょう。あるいは両刃(この写真のナイフは両刃です)ではなく片刃のほうが良いかもしれません。 またさらにデリケートな仕事には もっと刃渡りの短い物が良いでしょう。

2008_picture_of_the_detail_of_the_6

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2008年7月 1日 (火)

鎌型のナイフ a curved knife

最近 鎌のような刃の形のナイフを作りました。これまで多少 ご紹介したものですが、今回もう少し詳しく説明します。
通常 ナイフは 刃が まっすぐなことが多く あるいは わずかに先端に向かって ゆるくカーブしているものです。
If we image a knife, ordinary it would be a straight or rather outward curved knife.
But a scythe or a sickle has a blade curved inside. This kind of blade is good for the circular movement caused by the natural human joints.
If so, a knife also could have a curved blade, I thought.
I tryed the curved knives. And they are interesting to use and need a little bit training.

If needed a large amount to whittle, you have to hold the knife tightly upon your body, and draw the wood backwards or push the wood forwards with a curved line.

考えてみれば鎌は 草をひっかけて手前に引けば 切れるのです。もしまっすぐな刃物であれば 手首を引く方向に対して直角に近い方向に角度をつけてひく必要があると思います。
ナイフは どうでしょうか?
負荷の大きい削りの際に 手首は 角度を保つためにかなり踏ん張らなければなりません。力が入ります。
人の手の動きは 関節を要にした 円運動を基準にしていると思います。
このことは この鎌状の刃物にとっては好都合なことのようです。

力を入れて 木を削るときには この鎌状ナイフを体に固定して 木のほうを動かして生きます。この時 左手は 円運動に似た動きを必要とします。

また 荒削りだけでなく デリケートな仕事もできそうですね。
こういった 鎌状の刃物に 詳しい方がいましたら アドヴァイスお願いします。

ポイント
1.刃のベベル(刃先の角度の付いた部分)は両側につける
2.刃の先端は柄の延長線よりも内側に曲がっていること

もし 刃物を作れるチャンスが ありましたらぜひトライして 実際に使って その際のご意見など お寄せください。
メール
midorinocraft@nifty.com
2008_picture_of_the_scythe_style__3
このようにして元から刃の先端に移行しながら手前に引くと簡単に削れるのです。


2008_picture_of_the_scythe_style__4力を入れれば もっと根元から刃を当てて削れば かなり大きく削れます。



2008_picture_of_the_scythe_style__52008_picture_of_the_scythe_style__62008_picture_of_the_scythe_style__7これまで一番効率的な削り方と思われるものは このように 木を円運動のように動かし しかも刃物は 体に固定しておく方法です。かなり削れます。



2008_picture_of_the_scythe_style__82008_picture_of_the_scythe_style__92008_picture_of_the_scythe_style_10まだまだ削り方は これからさまざまヴァリエーションが派生してくると思います。



2008_picture_of_the_scythe_style_11この刃物でつくったスプーンです。
材は硬いシデです。

2008_picture_of_the_scythe_style_kn2008_picture_of_the_scythe_style__22008_picture_of_the_scythe_style__3

右手の刃物は自分の体に押し当てて固定し、左手に持った木片を外側に引いて削ります。

左手の動きは円運動に近く 右手の刃の部分全体をスライドさせるように動かします。そうすると自然と円運動になります。この時大事なことは左手の手首をキズつけないように手首よりも手前から削りの動作を行います。

2008_picture_of_the_scythe_style__42008_picture_of_the_scythe_style__52008_picture_of_the_scythe_style__6

反対側です。どちらかというと背泳ぎのような腕の動きでしょうか。

2008_picture_of_the_scythe_style__72008_picture_of_the_scythe_style__82008_picture_of_the_scythe_style__92008_picture_of_the_scythe_style_102008_picture_of_the_scythe_style_11

再度違ったアングルから最後に左手を反すあたりがミソですかね。

2008_picture_of_the_scythe_style_122008_picture_of_the_scythe_style_132008_picture_of_the_scythe_style_14デリケートな仕事もかなりいけます。
ただしもっと刃先の小さなものを作らないとうまくないようです。

写真左  左手親指のはらで刃物の背中を押していきます。刃は木片を削るときに進行方向にたいして斜めに押し当て左手の親指のはらを支点にして円弧を描くように押していくのです。こうすると絶えず刃は木片にたいして斜めにあたり効率が良いです。
写真中  刃を手前に引く。この時にも 刃を円弧を描くように使います。左手の親指のプッシュだけで動かしてください。

写真右  削りかすを見てください。このようにカールしたかわいい削りカスがでます。このような削りかすは良く切れている証拠です。

今後このナイフはもっと洗練された形にしていく必要があると思いますが 刃物を作る方 ためして見ませんか?

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