« 耳付き器 ウッドボール | トップページ | 異なる世界に足を踏み入れる »

2008年3月10日 (月)

紙やすりの仕上げ

ナイフで木を削ると たいてい シャープな切り口と 独特の艶が出ます。光をうけてきらっと光る艶です。 
これはとても魅力的なものです。往々にして刃物で削るとこの艶が出ます。そして年月を経てもこの削り後は命を宿し生き続けます。
ですから私は この刃物仕上げが大好きです。
たとえば椅子でもスツールでもドローナイフで仕上げたものはその刃物跡を残したまま歳月と愛情を蓄えて不思議な存在感を発揮していきます。

このことは小さなスプーンにおいても同様です。
スプーンなど多くの場合紙やすりを使うようですが 私は やはり刃物の削り後をそのまま生かします。

反面紙やすりをかけると非常に綺麗な仕上がりになります。
多少のでこぼこやささくれはカバーしてくれます。
紙やすりをかける工程で せっかくナイフで削ってできた削り目の境目のわずかなメリハリが紙やすりの研磨剤によってこそげとられていきます。これは悲しいですね。
確かに仕上がりはスムーズでつるっと あるいはすべっとします。
しかし反面のっぺりします。

完成したての紙やすりの仕上がりはたいてい満足のいくものなので 重宝な存在であるのだと思います。しかし長い間使っているとだんだん完成直後に感じた満足感が薄れていく気がします。
削りあとのない仕上がりは 削ったときの人の気持ちの勢いを削り取って表情のない出来上がりになる気がします。

刃物は 木を切りますが、紙やすりは細かい粒子の研磨剤でこのシャープな削り面をこすり落としているのです。

もちろん誤解のないようにいっておきますが 私も紙やすりを持っていて使いますが 使う場面が違うことを承知しておいてください。

皆さんも 木工をするときになぜ紙やすりをかけるのか、なぜ刃物で削ったままの仕上げにしないのか考えてみてください。


|

« 耳付き器 ウッドボール | トップページ | 異なる世界に足を踏み入れる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/135365/40448651

この記事へのトラックバック一覧です: 紙やすりの仕上げ:

« 耳付き器 ウッドボール | トップページ | 異なる世界に足を踏み入れる »