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2007年11月14日 (水)

こんな事象での考察

ポスト&ラングの椅子における 材の話です。

ポスト&ラングの椅子の脚の材料に向く木材の部位とはどこか? 
というような レベルの話があるのです。
グリーンウッドワークでの話ですが。
乾いた木材を椅子の材料とした場合は 考えもしないと思います。
そんなことを 考えたこともないし 考えも付かないかも知れません。
しかし実際椅子の脚、特に後脚は座り心地の点から柔軟性がある材が良材とされます。
柔軟性とはつまり座るとばねの様に柔らかくしなって 受け止めてくれることです。

では その良材とは 木のどの部位でしょうか?
座ると 柔軟に 曲がってくれる、ということが ポイントです。

木は 根元の つまり幹の地面に近い部分は 自身の重さ、風などに耐えるために 非常に堅く引き締まった組織になるのです。
多少の雨風にびくともしないために がっしりしているのです。

しかし 地面から遠ざかった部位は 反対に 柳のように 風に逆らわずに なびくことで 外力に耐えるようになっています。
ですから 幹の上部の 木材組織は 柔軟性があるのです。
椅子の、特に後脚になるべき 柔軟性を持った部位とは つまり そういう風になびく部分のことです。

柔構造という 考え方は ”タイチ”の思想で、それは東洋の思想であります。
ただガチガチに堅いのではなく 風に揺らぐ小枝のように 座った人の荷重を椅子が揺らぐことで受け止めるということです。
”フレキシブル イズ ストロング!”

ですから ポスト&ラングの椅子は 多少のでこぼこのある設置場所であっても しゃんと 4本の脚が しなりながら 接地するので 椅子にきしみ、緩みがでません。

木製の 柔構造の椅子に腰掛けたことがありますか?

椅子の後ろ脚の良材は 地面から遠い 部分の風に揺らぐ幹です。(ただし 樹齢の若い 幹は まだ たとえ根幹であってもまだ 柔軟性を持っていると思います。)

 
2007_picture_of_theautumn_course_lo柔軟性が 必要なんですね。
根元 と 中間        剛健と 柔軟        瞬発力と 持続力


12月のオープンコースの材木、桜です。
地面に近い部分の幹は 何百キロもの負担に耐えるためにかなりしまっているということです。上に行けばいくほど負担が軽くなり柔軟性があります。
この桜の場合下側は立地条件が斜面のためにバナナ曲がりしています。
         この部分は要注意です。





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2007年11月10日 (土)

椅子の座面の材料

椅子の座面が 厚板でその厚板が構造の要になっているタイプの椅子を ウィンザータイプといいます。
これに対し棒状のフレーム構造で強度を保持しているものをポスト&ラングといいます。

ポスト&ラングタイプの椅子は 概して座面が編みこみになっていて椅子の重要なアクセントになっているのです。
座面の材料は さまざまなものがあげられます。
今回 その材料などをご紹介します。
通常 一番現実的で安価なものが 紐類でしょう。

2007_picture_of_the_seat_material_0紙ひも デニッシュペーパーコード=非常に耐久性があって緻密です。価格が高めですが それに見合うものです。紙に油分を含ませてあるようです。(かといって 座ったら油染みが付くようなことは決してありません)
世界的に有名な材料です。

2007_picture_of_the_seat_material_2いわばジャパニーズペーパーコードとでもいうものです。これは静岡のコードメーカー製で 廉価ですが、その割には優れものです。芯が麻紐です。かなり強く密度も濃いです。
別のメーカーで同様のコードが販売されていましたが この静岡のもののほうが好感触です。
2007_picture_of_the_seat_material_3紙ひものほかにはこのようなジュート(植物の繊維そのもの)やイグサを紐にしたもの 麻紐 などなど あります。ただしこの写真のものは細く よりをかけていないため ケバがたって そのままでは 感触がいまいちで、しかも細いために編むのが大変です。


これ等紐類の選択のポイントは 太さと 価格 と耐久性でしょう。あるいは 見た目のよさも重要なポイントです。デニッシュコードは 案外高価で入手がちょっとわずらわしいと思います。
太さは5mm程度が適当で 細いものは 編み上げるのにかなりの根気が要るし、難しいものです。また太いと かなり野暮ったくなって これも椅子の魅力を半減させかねないところです。またより合わせていないものだと ケバが出てくるので 困ることになるでしょう。どれがお勧めかといえば あえて言えば 私は 価格の観点からは麻芯のジャパニーズコードを使いたいです。
2007_picture_of_the_seat_material_4写真、右コードを巻きとめる”かせ”
    左特に 後に出てくるインナーバークを編む際につかうヘラ


2007_picture_of_the_seat_material_52007_picture_of_the_seat_material_62007_picture_of_the_seat_material_8シート材は 安いジャパニーズペーパーコードで(静岡産ではありません)今ひとつさえがありません。
中のスツールは最も簡単な編み方です。


2007_picture_of_the_seat_material_7こちらは デニッシュコードです。(やはりちがう)話はそれますが 今年で製作後3年たった女性グリーンウッドワーカー(妻)の作品。塗料は塗っていません。オイル仕上げ。(いいつやしてます)

2007_picture_of_the_seat_material_92007_picture_of_the_seat_materia_10これはイグサです。畳表の材料としてなじみ深い材料であるせいか妙に安心感があり、ほっとします。
イグサ編みは 7本前後を束にしてよりながら編んでいきます。これも根気の要る仕事です。ただ綺麗にできるととても素晴らしいものになります。(私向きではないです)
2007_picture_of_the_seat_materia_112007_picture_of_the_seat_materia_12
これはガマの葉です。長さが2m以上ありかなり繊維がしっかりしています。この冬に出来上がる椅子のシートに編む予定です。




2007_picture_of_the_seat_materia_13コットンテープ。綿100パーセントのものがやはり印象がいいです。厚みも1mmに満たないもの 2.5mmのものなどあります。品質の安定性と強さはありますが コストがそれなりにかかります。やはり厚みが2mm以上あるほうが使い心地、見た目がいいです。

2007_picture_of_the_seat_materia_14インナーバーク
インナーバークは 樹木の外皮の下にある靭皮と呼ばれるもので樹種によっては非常に強く また非常に椅子の座面として寿命が長いものです。
また編み作業もなれると比較的簡単で扱いやすいものです。
この材料はいいこと尽くめ、価格 耐久性 編みやすさ 見た目 などどれをとってもほかの材にない長所を全て持った材です。唯一欠点としては 材料が国産化されていない点です。いろいろ調査してみると 欅が適樹であろうと思われますが 今のところ自由にインナーバークを入手できない状態です。もし どなたか心当たりがありましたらご連絡ください。
2007_picture_of_the_seat_materia_152007_picture_of_the_seat_materia_16背高アームチェアー 2.5mmコットン100%テープ、2トーンカラーです。使い込んですこしうすけてきました。



2007_picture_of_the_seat_materia_172007_picture_of_the_seat_materia_18インナーバークのスツール:これは巾2.5cmのインナーバークでしたが 縮んで隙ができています。本来一度巻いて すこし乾燥させて縮んでからつめて 巻き足すべきですが。

2007_picture_of_the_seat_materia_192007_picture_of_the_seat_materia_20同じくインナーバークです。イベントの最中に編んだものでしたが 目がずれています。できて半年もたっていません。


2007_picture_of_the_seat_materia_212007_picture_of_the_seat_materia_22これも同じくインナーバークですが 材の出所が違うのでタッチが違っています。これはもう3年たちました。非常にいいつやが出ているのがわかると思います。

こうしてみると もしコストに余裕があれば インナーバークが一番好きです。もし今後 日本でインナーバークが取れるようになれば(自前で)コストはどれだけ安くなるでしょうか。
また 編み方のパターンも自分なりに工夫してみたりすると面白いものです。
お問い合わせ

midorinocraft@nifty.com

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2007年11月 5日 (月)

クルミフレンズ

今回は グリーンウッドワーク友の会”クルミフレンズ”のイベントとして 恒例”クルミ拾い&キャンプ”が行われました。
キャンプや クルミ拾いは楽しいものですが 木工とは無関係?
そういえばそうかもしれませんが、 グリーンウッドワークの ある意味リラックスした 精神状態と キャンプのそれには共通するものがあると思います。
非常に ぴりぴりと神経を研ぎ澄ませる作業よりも なにかリラックスして談笑しながらシェービングホースにまたがってドローナイフを使って生木を削る時のリラックスする部分が多いグリーンウッドワークですから、まさに キャンプで たとえば ソーセージを刺す串を枝などの木を使ってナイフで削るような そんな感じの木工なのです。ですからそういった意味の 角度からグリーンウッドワークを見てもらうと 多少 理解しやすいかと思います。
グリーンウッドワークを言葉であらわすと 確かに生木を材料にして行う木工で 主に椅子を作るということではあります。
実際は 電動工具を使う怖さがないため そういう緊張感がなく、リラックスして作業ができます。
また似たような手法で作る ラスティック ファニチャーというものがありますが、グリーンウッドワークで 出来上がった椅子は 非常に強靭であり またしなやかである点が やはり特性で、 たんに ラスティックというだけではないのです。
グリーンウッドワークが 現代の社会において 意義ある木工であるということは そういったリラックス効果とでも言うものを含んでいるからなのです。

2007_picture_of_the_autumn_walnut_f



2007_picture_of_the_autumn_walnut_2



2007_picture_of_the_autumn_walnut_3また来年も今回のような楽しい時間が持てますように!
参加希望の方は クルミフレンズになればO.K.です。
お申し込みmidorinocraft@nifty.com まで。
今回の会費は 2000~3000円(アルコール飲む人の1000円加算です)。

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