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2007年9月18日 (火)

グリーンウッドワークの手道具

グリーンウッドワークの手道具の日本における入手の現状
グリーンウッドワークは日本でもまだまだ ほとんどマイナーな立場であり、その作業を支える手道具というものが手に入らないという現実があります。
手斧やノミなどは 伝統的、 あるいは 新建材向けに開発された 手道具で間に合わせてもほとんど問題は ないと思われますが、 特に 刃物の中でも ドローナイフ、フロー、フェレット、スキューノミなど ある種の刃物は 日本になく、 また似たようなものがありますが 使用感がかなり異なり 私は あえてmade in Japan にこだわるのは無理があると感じています。
もち論 最近では ドローナイフは ネットで入手できるようですが ログハウス向けのドローナイフである場合が多く使用感が違うのです、 つまり グリーンウッドワークに使うためのものではないので うまく使えず 長続きしないものになってしまうことになるのではないかと危惧します。
こんなときに 頼りになるのが やはり イギリス アメリカの ショップでしょう。
私のところでは 主に イギリスの Ray IlesのThe Old Tool Storeを利用しています。
ここは 使い込まれた道具の販売のほか 新品も取り扱っており 私のお気に入りです。
日本で言えば 中古の道具屋のような勘違いをしがちですが イギリス人は どうも古い物好きで どうどうとこういったもののやり取りをしています。 場合によっては 中古のほうが高かったりします。”アンティック”ということなのでしょうか。
私のところでは ここから取り寄せる道具を希望される方にお分けしています。
(たとえばドローナイフは現地価格30ポンドで イギリスから送りつけられたものは 刃先が調整されていませんので それを私が 研ぎだして出していますが、 案外手のかかる仕事でもあります。自分で刃先を調整されるのでしたら 30ポンドプラス 送料分担プラスペーパーマージン10パーセントほどでお渡しできるものです、およそ10000円弱ほどです。)(すいませんポンドの相場があがっているようでこれまで 1ポンド200円で考えていたために価格に相違が生じていました。)
このショップは 非常に良心的で 印象もいいです。
道具のよしあしが 作業や 木工全体の印象を左右しうるものですから よい手道具を揃えてください。

2007_picture_of_the_drawknife_011

左から アンチック
つぎThe Old Tool Store(ここのご主人の父親がこのドローナイフのメーカーです)

          次アメリカ製(華奢に見えますが 案外タフでさらに切れ味抜群です
         右 スイス製 小売してない様子でちょっと割高ですが 日本で購入できま          す。

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2007年9月16日 (日)

手斧=トリミングアックス 2

本日はいよいよ柄の挿げ替え。
全体の形は ちょうどクエスチョンマークのあの?のようなカーブがイメージとしていいかもしれません。あるいはひらがなのゆるい角度の”く”の字に近い角度がいいでしょう。

最初に 柄の材料になる木を選びます。つまりできれば なるべくもともと曲がりのある部位を探します。さらにできれば 木の幹の地面に近い部分ではなく何メートルか地面から離れた部位が理想的です。それは 木の地面に近い幹の部分は 柔軟性がなく折損の可能性が多くなるのです。 枝先に近くなるほど木は柔軟性がありますから 材としては枝先のほうがいいでしょう。
2007_picture_of_the_trimming_axe2_0
とはいいましたが 手に入る木でとにかく前進しましょう。 柄を作り上げることがまず一番ですから。
それをいつものように裂いて手ごろの太さにして、次に チョッピングブロックの上で手斧を手かってさらに処理していきます。 最後は ドローナイフで 形をほぼ整えます。

2007_picture_of_the_trimming_axe2_2ドローナイフで大まかな形を削りだしていきます。


次は 市販の状態のままの柄を切り離します。
2007_picture_of_the_trimming_axe2_3このように付け根で切り離し取り外すと 楽です。


この刃に先ほどの柄を削って差し込みます。
2007_picture_of_the_trimming_axe2_4

2007_picture_of_the_trimming_axe2_5この柄の材は生木ですからいずれ乾燥してちじんでしまうのでそれを見越して多少きつめに押し込みます。


2007_picture_of_the_trimming_axe2_6無事 ちょうどいい感じで納まりました。このペアリングの作業のとき、刃の差込穴の内側に鉛筆などでなぞって柄を差し込んだときにその鉛筆あとがついた部分を削るといいです。

こうして柄の頭に楔を打ち込んで締めます。
このようにして手斧の形ができましたら、実際に手にして使いながら 出っ張りや気になる部分をナイフで落としていきます。またこの状態だとまだかなり柄が長く使いにくいので短く切ります。
2007_picture_of_the_trimming_axe2_7一応完成ですが まだ少し柄が長い感じです。それとカーブがちょっとゆるい感じです。
また 自分の指の位置にあわせて削り、調整してもいいです。

次回には刃先の調整をご紹介します。

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2007年9月15日 (土)

トリミングアックス =手斧

今回は手斧をご紹介します。
手斧は グリーンウッドワークでは通常の木工に比べ非常に使用頻度の高い、かつ効果的な手道具です。
2007_picture_of_the_trimming_axe_00この手斧はフローなどによって 手ごろな太さに裂いた材料の生木を チョッピングブロック(木工作業の専用まな板)の上で荒削りするための道具です。
写真の左が750g、右がたぶん500gです。

DIYショップなどの園芸コーナーで売られているものを柄を付け替えて私のところでは使っています。
2007_picture_of_the_trimming_axe__2このように長い柄がついた状態で販売されており5000円弱でした。重さが750gほどで大の男でしたら使える重さだと思いますが、女性にはこの一回り小さな500gがいいかもしれません。(女性でも750gで作業された方が結構いました)

市販のこの斧の刃は 刃先の斜めの部分が膨らんでおり トリミングの作業の時にはかなり上滑りした感じになり使いにくいので 砥石などでふくらみをそいで実用とします。


この写真のように使います。
2005_041使い方の詳細は後日にご紹介しますが、この手斧は使い方によっては非常に破壊力があり、ある意味では非常に危険な道具です。気がついたら指が飛んでいた、などということになりかねないものです。もし今後この手斧を自作され使われる方がいましたら 今後ご紹介する使い方を十分に熟読して、あるいはこちらで受講されてからお使いになるようにしてください。
さもなくば、当方では取れてしまった指を補修することはできませんので。あらかじめご注意申し上げます。 ちょっと大げさですが。

2005_042 
この写真で使われているものは片刃の斧ですが、片刃の場合、木に刃がどうしても食い込んでしまい、使いにくいため あまりお勧めできません。




__hr_imgp0688Takachan_post_rung_stool_course_aut右がチョッピングブロックです。上部の本体はケヤキです。
ケヤキは割れにくいので材料としてはいい木だと思います。脚は 枝を削って あけた穴に深くさしこんであります。多少ゆるくても深く差し込めば安定性には問題がなく、またたとえばイベントなどで運搬するには脚を引き抜いて分解して運ぶこともできます。この荒削りの作業は馬鹿にできない効率をもたらし、なれればかなり有効な作業工程です。

次回はこの柄のすげ替えをご紹介します。




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2007年9月 5日 (水)

身近な自然材料

椅子の座面の材料
昔、それほど遠い昔ではない昔
私たちは 暮らしの中のさまざまな場面で身の回りの自然の素材を使ってきたのでした。
畳はイグサ、 屋根材は かやとか瓦、 釣竿は 竹、 壁は 土、  そういう考え方で出来上がっていた 方向性があったのでしょう。
しかしここに工業製品が材料として入ってきています。ビニール、プラスチック?、鉄、アルミ、合板、、、、、などなど
これ等のものに国境はなく 有機的な 生物的な 呼吸は感じられません。
これ等 二つのものの間にあるギャップは何なのでしょうか?

現在 私のところでは 椅子の座面の材料として 手ごろな価格の紙紐、 アメリカ製の 木の外皮、 綿の厚手のテープなどを使っています。
できれば身近な材料で、昔のように 座面の材料をまかなうことができないものか。と考えています。
そんな折 会員のご協力を得て 今回 ガマの葉を入手しました。長さは2m以上ありまた繊維が強靭で イグサよりも耐久性がありそうです。実際がまの葉で編んだ椅子をいくつも見てきましたが 強度、材質感ともすばらしいものであります。
こういう 身近ななおかつすばらしい自然素材を椅子の材料にしていくことは グリーンウッドワークの醍醐味でもあり、そのような方向性から考えるとまだまださまざまな素材が使えるようになるかもしれません。

今後 このガマは 乾燥の工程をへて、秋以降の椅子の座面となっていく予定です。ご期待ください。

このブログをご覧の皆さん、ご近所にこんなすばらしいガマの群生地がありましたら ご連絡ください。
2007_picture_of_gama_001ちなみに ガマの葉は 夏が終わるころ、まだ褐色化が 穂先から始まらないうちに茎の根元から刈り取って 通気のよいところで乾燥させます。もちろん 1本づつほぐしてです。



2007_picture_of_gama_002計算上 この写真の材料で 2脚分の椅子の材料となります。

昔は ガマは 今よりもっとポピュラーな植物であって あちこちで 日常に見かけられたようです。
ガマの穂は 枕のアンコになったりもします。因幡の白兎もお世話になった?ものでもあります。
連絡先midorinocraft@nifty.com or imaru@mte.biglobe.ne.jp まで

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2007年9月 4日 (火)

うっかりミス

うっかりミスを よくやります。 手間隙かけてすべてのパーツを準備して 大事な組み立ての時に大きなミスをしてしまう。 そのときは ミスしていることに気づかず事後になって唖然、がっかり、なんていうことになる。
よくやるミスのひとつをご紹介します。
すべてのパーツが出来上がってその椅子のパーツを組み立てるとき、私はどういうものか平気でミスを犯します。
通常 椅子は 前後左右のうち 左右の側をまず組み立てていきます。まず後脚に穴を開けてラング(椅子の下にある横木)やシートレール(座る部分の横木)を差込み、今度は前脚に同様に穴を開けて このラングとシートレールを押し込んで 左右のサイドを組みます。
ただ、このとき大事なことが一つあります。それは弓なりになった後脚にこれ等のパーツを差し込む穴を開ける時です。つまり 後脚にあける穴は弓なりになった後脚に対してまっすぐでなく、30度開いてあけることです。( これは 後脚を人の顔にたとえると顔の正面に穴を開けるのではなく 目と耳の間の辺りの30度の角度をつけて開けるということ)
ちょっとわかりにくくてすみません。もしこの手続きを怠って正面に穴を開けるとどうなるかというと出来上がった椅子は たとえていえば O脚のような感じで非常に間が抜けてしまうのです。
2005_016
わかりますか、 後ろ足が開いて間が抜けている感じがするでしょう?こういうことになってしまうんです。これはこの後脚に横棒を真正面に差し込んであるため(椅子は後ろがすぼまっていて 前側が広くなっているので当然後ろから前に向かって開いた感じに組み立てられていくのです)開くとこんな感じになってしまうのです。
この椅子はポスト&ラングタイプの椅子ですが こういった基本的なデザイン上のポイントがあるのです。
意味のない装飾やデザインを排除して かつ 機能的、堅牢、軽量を追及したデザインが これ等のグリーンウッドワークのポスト&ラングの椅子なのです。

ちなみにこの椅子は この椅子の材である60歳の樹齢のクヌギの山の持ち主のお宅で使われています。つまり この椅子の材は その人の山のクヌギなのです。私と2人で伐採して材料としたクヌギでした。

2006_picture_of_the_first_side_chai
後ろ脚が内側を向いている、ということによってその後脚の下側が外側に向かって開いて安定性を増すのです。また見た目にも違和感を感じさせないのです。いかにも なんと言うことのない 椅子のデザインの基本の中にそれなりのいろいろな事情があるものです。


2006_picture_of_the_steam_bending_0後脚は通常 このように蒸気で蒸して曲げるのです。このような手間をかけて後脚を作るのに、単純なミスをなぜかしてしまう自分です。 自己嫌悪に陥りながら 自分を何とかなだめて続行します。
imaru@mte.biglobe.ne.jp
OR
midorinocraft@nifty.com

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2007年9月 2日 (日)

9月2日からの コース

本日からグリーンウッドワークの新しいコースが始まり、ポールレーズの(ロクロ)ノミの柄をすげかえをしました。単なる椅子作りの単発講座ではなく グリーンウッドワーク全体の長期にわたるコースのスタートです。
生徒さんは いまや人生のアフター5を迎えて自分の好きなことを思う存分できる立場の方です。
まずは平のみの柄の挿げ替えです。 桜の丸太を割って8等分したものを 材としてとり、
手斧による荒削り、シェービングホース&ドローナイフでの下ごしらえに続き、ポールレーズで柄を挽きました。ポールレーズが初めてとは思えないほど優しく 桜を挽き、午後になって2本目のノミの柄を挽くときには手つきがとてもよくなってリズミカルにかなりきれいに挽けるようになりました。
生徒さんの手の大きさ 使い勝手のよさにあわせた寸法のノミが2本出来上がりました。

2007_picture_of_usiyamas_first_cour今日が初めてとは思えないほどリズミカルにやさしくポールレーズを挽いています。




2007_picture_of_usiyamas_first_co_2桜の柄をつけて マイチゼル



2007_picture_of_usiyamas_first_co_3早速マイチゼルで2本目のノミの柄を挽きました。
おまけの橋置きはこれから毎回コースの昼食の時に使います。かわいいものですがかなり挽くのは難しいものです。

今日は初めてなのでここまででおしまいです。
お疲れ様でした。
今後さまざまな作品を作っていきますが 楽しみですね。
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